NPO法人と株式会社の違いってなに?

NPO法人(特定非営利活動法人)と株式会社(営利を目的とする法人)ってなにが違うんですか?って最近になって聞かれるので整理してみました。

NPO法人とは・・・

Non Profit Organizationの頭文字をとったネーミングです。Nonprofitとは非営利、Organizationとは団体・組織を意味します。すなわち、直訳すると非営利団体ということになります。

NPOの要件として、①民間で ②公益に資するサービスを提供する ③営利を目的としない ④団体とされています。そのうち、特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)にもとづいて、法人格を取得した団体をNPO法人と言います。

勘違いされる非営利への解釈

「NPOは非営利だから、営利を求めない=儲けてはいけない=ボランティア」 と連想しがちです。が、これは大きな間違いです。

「非営利」 とは 「営利」 を求めてはいけないという意味ではなく、 「利益」 を関係者(構成員)で分配してはならない。つまり 「非分配」 という意味なのです。

一般的に株式会社の場合は儲かったお金(利益が出た場合)は関係者(株主)に分配することができます。それが株式会社の目的だからです。ところが、NPO法人の場合は儲かったお金を関係者で分配することができません。
儲かったお金は地域のための事業、次の事業に再配分、あるいは再投資すること。というのがNPOのルールだからです。つまり 「非営利」 とは、儲かったお金を関係者に分配はしてはならない。という意味で、地域社会を発展させるための事業資金に回してくださいという意味になります。

また、NPO法人はボランティアと勘違いされることがあります。NPOとボランティアの違いはどこにあるのでしょうか?

「ボランティア活動」 とは、原則的に個人の 「自主性」、「公共性」、「無償制」 に基づく地域貢献活動であり、利益(収益)を生むことを目的にしていません。
 つまり 「無報酬性」 を意味します。

一方でNPOとは、「非分配」 のルールに従い、「社会的利益」 もしくは 「経済的利益」 を生むことを目的とした活動のことをいいます。
 よってボランティアとNPOとの大きな違いは 「無報酬性」 か 「非営利性」 かの違いとなります。
 多くの人が 「NPO=ボランティア」 と解釈している原因が、この 「非営利性」 と 「無報酬性」 の意味を混同していることとされています。

 それともう一つ。NPOは事業に対する社会的責任を全うするため、一般的に有給職員が事業を運営しています。そうなれば、当然ながら運営資金が必要です。家賃、光熱費、人件費、通信費、その他一般企業と同じ経費がかかりますし、収益事業に関しては株式会社と同一の税率が課せられます。また、 「人、金、モノ、情報」 という、いわゆる経営資源も含めて、民間企業を運営していく上では、企業と同様のスキルが要求されます。
 つまり、地域社会に対して社会的利益、もしくは経済的利益を追求するため、「社会的責任」 もって事業を行うのがNPO。利益を求めず有志で活動するのがボランティア。そこがメンタル的にも境界線になると思います。

NPOと株式会社の違いは・・・

株式会社→株主 会社は株主に対して 「経済的利益」 を追求することが原則なります。

NPO→地域社会 「社会的利益」 を追求することが原則なります。

NPOは株式会社のように株主を特定することができません。これは地域社会に対しての社会的利益を追求するための法人であり、私的な利益を目的としていないためで、強いて言うなら株主にあたるのは地域社会。あるいは地域社会によって選ばれた理事会と考えることもできます。従って、NPOは事業を通して地域社会のために貢献すること。すなわち 「社会的利益」 の追求がミッションとなり、儲かった収益は地域社会へ再配分することが原則となります。

NPO法人にするか、株式会社にするか迷ったら・・・

 地域に根ざした法人を創る場合、NPOにするか株式会社にするか迷うところです。結論から言えばどちらがいいのかより、理念や考え方といった中身の方が問題になります。どういう形で地域に貢献したいのか、どういう事業を持って地域社会に貢献したいのか。そこが一番重要な部分だと思います。
 いずれにしてもNPOも株式会社も営業収益による税率は同一ですし、寄付金を除いては、税制上の違いはありません。したがって、事業内容に沿って選択すればいいと思います。
 ただし、NPOと株式会社には会計上の違いがあります。一般的に民間企業はゼロを増やしていくことがミッションですが、NPOの場合は公益法人の会計を応用したもの。つまり、行政の仕組みと同じで、先に予算があって、それを消化していく予算消化型の会計がベースになっています。要するに考え方が逆。したがって、スピードを重視する場合や収益事業に特化したい場合。
 事業を拡大し、雇用を増やすことを持って社会還元したい場合は株式会社。営利を主とした目的とせず、地域に必要な事業を遂行する場合。あるいは行政と連動した事業を行う場合や公共的な事業を行うための受け皿として機能させたい場合はNPOという選択すると良いかと思います。